どの世界でも同じ事が言えると思うのですが、
それぞれが同じ頂点(トップ)を目指していても、
チームや指導者によって理論も違えば、
同じ人間が言う理屈にしても、
日ごとに変化するのはもはや「普通?」です。
私自身のバドミントン指導をみても、
自分で20年前に言ってたことと、現在とでは、
表現がまるで違っていて、
ときには「真逆」の表現を使うこともあります。
私の中では、これを勝手に「進化」と呼んでますが。

ところが最近、
あるバドミントン講習会に行ったとき、
参加者の方からこんなご指摘を受けました。
「最近、一流(元代表クラス)の指導者による
講習会にたびたび参加してますが、
指導者が変わると、言うことも変わるので、
どう受け止めたらいいのか困っています。
例えば、日本人と韓国人とインドネシア人の講師を
比べたとき、スマッシュ一つとっても
フォームのアドバイスがぜんぜん違います。
いったい我々はどう理解すればいいのでしょうか」。
…確かに、大人は理解に苦しむとは思いますが、
実際、選手はそこまで真剣に
期待どおり悩んでくれるでしょうか。
例えば、私自身が高校生のとき、
日常的に社会人のバドミントン選手から
ゲーム練習の相手をしていただいていましたが、
高校生が勝っても負けても、
ゲーム終了後に、
対戦相手からアドバイスをもらっていました。
アドバイスを聞いているとき、たまに、
「この人は、うちの監督とアドバイスの方向が違ってる」
と感じることがありましたが、それでも
その人のアドバイスが100%間違ってるとか、
無視しようとか、そんな気持ちは
微塵もありませんでした。
それよりも、
そのアドバイスを忘れないようにすることと、
自分がどう消化していけばいいのか。
頭の中は、そういうことでいっぱいだったように
思います。
同様に、おそらく今の若い選手たちも、
チームの監督、学校の先生、両親の言い分が、
「毎日変わる」「すぐ変わる」「気分で変わる」
ことがあっても、今更ビックリしたりは
しないと思っていますし、
私は個人的には、逆にそれくらいの、
ありとあらゆることへの
対応力を見につけていなければ
選手として成功しないとまで思っています。
あるいは、
逆に、選手たちに質問してみるといいのかも…。
「どの指導者の、どんなアドバイスが
一番分かりやすくて、やる気になったか?」と。
たぶん、答えはみな同じじゃないでしょう。
「大人がいつも違うことばっかり言うので
悩んでいます」と答える選手はいるかな?
魔法の言葉は、たった一つだけでなく、
方向も種類もたくさんあったほうが、
選手たちにとってはハッピーだと
思いますが、いかがでしょうか。
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先日、沖縄県の興南高校野球部の
我喜屋優(がきや・まさる)監督の
インタビュー記事を読んで、ハッとしました。
我喜屋監督とは、
平成19年に沖縄興南高校監督に就任。
平成22年の全国選抜で初優勝。
平成22年の夏の甲子園でも優勝。
甲子園で春夏連覇を果たした名指導者です。
いったい、我喜屋監督のどんな言葉に
私が驚いたのか。
それをご紹介する前に、
ここでみなさんに問題を一つ

いま、あなたの目の前で、小学生の少年が
二人で野球のキャッチボールをしています。
でも二人は、なかなか上手に
キャッチボールができません。
投げ手が、相手の正面に投げられないこともあって、
捕り手は、あちこちに動きっぱなしです。
このとき、みなさんはこの少年たちに向かって、
どんなアドバイスするでしょうか。
私だったら、こんなアドバイスかな?
「お互いが、相手の胸を目がけて、
しっかり投げなさい!」
ところが、沖縄興南高校監督は、
そうは言いません。
まったく逆…。
捕り手のほうを注意します。
「どこに飛んでくるか分からない相手の球を
フットワークを使って、正面で捕ってあげなさい!」
「打球も送球も、ボールが離れた瞬間に判断して
しっかり動きなさい!」
名付けて『反応野球』。
沖縄興南高校野球部員には、
どんな球にも、素早く反応して、
柔軟に対応するチカラが求められています。
キャッチボール一つとっても、
「目的」次第で、いろんな言葉があるんですね。
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おまけに、我喜屋監督の言葉をもう一つ…。
「興南の選手は、試合中にガッツポーズをしないと
いうことも話題になりましたが、
そんな暇があったら、
次のことを考えておけというのが
私の考えです。
長打を打って、
選手が両手でガッツポーズをする。
気持ちは分かりますが、
その瞬間、相当見落としているものがある。
監督からの指示、控えている打者への指示、
あるいは喜び過ぎて、
精神のコントロールを失っているとか…。
いかがですか?
もしも、あなた自身が「ガッツポーズ推奨」する
指導者だとしてしても、
沖縄興南高校の「ガッツポーズをしない理由」を
知ることは損にはならないはず…。
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いずれにせよ、最終的にはチームの指導者
(もしくは選手自身)の決断は必要です。
要は、多くの情報の中から、
自分たち(自分)は、どの道を選択するのか。
どの手段が一番効果的なのか。
できるだけ曖昧な部分をなくし、
信念をもってしっかりと取り組んでおかなければ、
それこそ「伸び悩む」と思いますね。
「サロンド・ケンジ(荻原健司さん主催)」の勉強会で、
日本ラグビーフットボール協会の中竹竜二さんの
お話を聞いてきました。
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中竹竜二さん。
このブログでも紹介したことがあります。
![]() | 監督に期待するな 早稲田ラグビー「フォロワーシップ」の勝利 (2008/02/26) 中竹 竜二 商品詳細を見る |
つい先日まで、偶然にこの本に出会って、
ウルウル感激しながら読んでたのに、
まさか本物の中竹さんに会えるなんて。
夢のような時間でした…。
ご自分では「日本一オーラのない監督」と
おっしゃっていますが、
その裏には、綿密な計算というか戦略があって、
スゴイなと思いました。
伝統ある早稲田大学ラグビー部の
監督に抜擢されるほどの人物ですから、
普通じゃないのは当たり前ですね。

私が出会ってきたこれまでの指導論は、
「強力なリーダーシップ」や
「強固なチームワーク」など、
勝利に向かう過程に必要な諸条件を取り上げ、
その必要性を強調したり、
あるいは「勝利を目指すチーム」と
「スポーツの楽しさを追求するチーム」の
どちらを目指すべきか?
…組織づくりのプロたちは、
この手の質問をたくさん用意しておいて、
参加者に問いながら進めていくのが主流でした。
つまり、何度聞いても、
分かったようで分からない話。
しかし終了時間になると、参加者は
「大変勉強になりました。今日はありがとうございました…」。
でも中竹さんの体験談は、これとは真逆の内容。
・監督に期待させない。
・どんな結果、どんな場合でも選手を怒らない。
・手本を見せない(見せられない)。
・チームワークが絶対に不可欠かどうか。
・選手がみんな一流選手になれるはずがない。
・個人面談によって、各人の役割を確認する。
中竹さんの話は、とても面白くて、
私はめざす「リーダー像」の選択肢が
広がったように感じ、大満足でした。
選手を怒らないようにするコツ(スキル)も
紹介してもらいましたが、
私がそれをやっても、
「怒る」のはやめられない気がします。
中竹さんは、やはり器が大きいんですよ。
本の中のイメージと違って
話がとてもお上手な方でした。
参加者全員が中竹ワールドに
引き込まれていく感じ。
相手の情熱を引き出す「言葉」の使い方が
ピカイチなんですね。
荻原健司さん(スキー複合)、
山口香さん(女子柔道)も中竹さんの話を
真剣に聞いてましたよ。
よく「本好きですねえ」と言われますが、
そうなったのは、
福田実さん(故福田組社長)の影響が
少なからずあります。
福田さんのスピーチはいつも素晴らしくて、
「いつかこんな人になりたい」と強く思ったものの
何から手をつけたらいいか分からず…、
私の場合はスピーチのテクニックよりも、
「いろんな言葉や表現を知る方が先」と思い、
多くの著者の本を読んだり、
講演会などに積極的に行って勉強しました。
最近は、その方面の情報収集だけでなく、
「目に見えない自らの考えや感覚を、
他人にどう分かりやすく表現するか」
そっちにも興味があります。
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そのきっかけを作ったのは、
バドミントンのジュニア指導ことで、
韓国人の元オリンピック代表の男性と
一緒にお酒を飲んでいるときのことでした。
彼は、いま日本のジュニア指導では
とても注目を浴びている人物で、
その指導内容が小学生にもわかりやすく
人気なのだそうです。
私が彼と話をしていてスゴイと思ったのは、
小学生のうちからすでに、
世界レベルの選手を育てることを
指導目標にしているということ。
個人的意見ですが、
若い頃に世界レベルの選手じゃなかった人が
自らの経験だけで指導者になっても、
その人に「世界を意識した」効率的な指導が
どれだけできるのかという疑問があります。
しかし、元オリンピック選手の彼は
小学生相手に世界をイメージさせ、
世界一になるには「どういう練習が必要か」、
その中で「ジュニア期にできること」を
これまでの常識を疑ってとことん考えます。
同時に、大事なのは指導者の表現能力。
小学生にも分かりやすい表現が使えて、
うまくイメージさせられるかどうか。
それさえできれば、ハイレベルの技術だって
子どもたちは習得可能だということ。
子どもたちに対して
「これはまだ難しい技術だから…」と
勝手に決めつけるのは、
指導者として未熟な証拠で、
子どもたちは楽しければ、どんなことでも
ドンドン吸収していきます。
中国雑伎団や器械体操の選手なんて、
大人にはできない
あんなことまでやってしまうのですから、ね。
とにかく、どれだけ「難しいか」なんてのは、
やらせてみてから、
各人に判断してもらえばいいだけのこと。
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そういうことで、
言語能力としての「分かりやすい表現」を
身につけるには、何を参考にすればいいのか。
これについて情報のアンテナを張っていたら、
ピピピ!と引っ掛かってきましたよ。▼
![]() | 遊撃手論 (2009/06/18) 矢崎 良一 商品詳細を見る |
▲もちろん今から私が遊撃手になりたくて
買った本ではありません(笑)。
あくまでも、
自分の感覚を言葉にするための参考書。
日本のプロ野球界において
「名ショート」と呼ばれた選手は、
自分がボールをさばくときの独特の感覚について、
どのような表現をするか。
また現役時代、恩師からどのような指導を受けたか。
ぜんぶ表現が違うんだけど、
これが素人の私にも分かりやすいんですよ。
だから、この本を読むと
ショートバウンドの球だって
簡単に「パ・パーン」のリズムで捕って、
ビューンと一塁に投げれそうな気がします。

要するに、現場に行ってから
選手のプレーを見て、
どうアドバイスしたらいいのか分からなくて、
あれこれ言葉を選んでいるようでは、
ダラダラと時間だけが経過し、
メリハリのない指導になってしまうので、
指導者(リーダー)は、
日頃からあらゆる場面を想定して
「使える表現」「イメージしやすい表現」
を準備しておく必要があるってことですね。
これは、スポーツ界でも
ビジネス界でも同じだと思います。
…この本を読むと、
「スポーツをつまらないもの」にし、
「スポーツをむずかしいもの」にしてしまうのは、
未熟な指導者だってことまで
ぜんぶ分かってしまいます(笑)。





